カフネ
講談社 | 2024/05/22
みんなの感想
本屋大賞受賞作ということで手にとってみたのですが、期待以上に心が温かくなる物語でした。 喪失と再生の物語というと重くなりがちですが、この作品は食事を通じて二人の距離が縮まっていく様子が本当に優しく描かれています。離婚で心が閉ざされていた主人公が、一杯のスープからほぐれていく過程が自然で、読んでいて一緒に癒されるような感覚になりました。 普段、家族の食事を用意する身として、食べ物がどれだけ人の心を満たすものなのか改めて気づかされたというか。最愛の人を失った悲しみと、それでも前に進もうとする力強さが、素朴な料理シーンの中に詰まっているんです。 キャラクターもとても魅力的で、無愛想だと思っていた登場人物が徐々に心を開いていく過程に引き込まれました。余韻の残る素敵なエンディングも、何度も思い返してしまいます。疲れた時や心がざわざわしている時に読むと、本当にそっと寄り添ってくれる作品だと思いました。同じ年代の女性にも、ぜひ読んでもらいたいです。
2025年本屋大賞受賞作ということで、期待を持って手に取りました。弟さんの突然の死と、姉妹の関係、そして食事を通じた人間関係の構築という設定は確かに惹かれます。 ただ読んでみると、物語の進み方がどうにも予定調和に感じてしまいました。二人の距離が縮まっていく過程は丁寧に描かれていますし、食事シーンの描写も温かみがあります。でも、それ以上に心を掴まれる何かが足りないというか…。キャラクターの背景や心理描写をもっと深く知りたいと思う部分が多々ありました。 主婦の立場からすると、食事を作ることの大切さや、相手を思う気持ちが食卓に表れるという部分には共感できました。ただ、物語全体としては「いい話だね」で終わってしまう感じがぬぐえません。せつなさや感動のポイントがもう一段階あれば、もっと引き込まれたのかもしれません。悪くない作品ですが、個人的には少し物足りなさが残りました。
正直なところ、最初はこの本を選ぶのに迷いました。でも本屋大賞受賞作ということで、口コミも良かったので思い切って読んでみました。 読み始めたら、一気に引き込まれてしまいました。姉と弟の元恋人という気まずい関係から始まるのに、食事を通じて心が通い合っていく過程がすごく丁寧に描かれていて。離婚で疲れ果てた主人公が、温かい食事と誰かの優しさによって少しずつ変わっていく様子が自然で、読んでいてほっこりしました。 自分はまだ親元にいるので、大人の孤独とか疲労とかは完全には理解できないかもしれません。でも「一緒に生きよう」というテーマは、年代関係なく響きます。食事という日常的なものが、人と人をつなぐツールになっているのが、すごく素敵だなって思いました。 ただ、重いテーマを扱っているので、気分によっては読むのが辛い場面もあります。だからこそ丁寧に選んで読みたい人向けかな。私はこの本を読んで良かったです。
本屋大賞受賞作ということで手に取ったのですが、期待以上の素晴らしさでした。 弟の急死という重いテーマから始まるのに、物語が進むにつれて心がほぐれていく感覚を味わえます。主人公・薫子のキャラクター設定が本当に巧妙で、最初の頑なな態度から少しずつ変わっていく過程が自然かつ説得力があります。離婚後の荒んだ生活を送っていた彼女が、温かい食事を通じて人とのつながりを取り戻していく—そのプロセスが心に響きました。 自営業をしていると、つい自分優先になって周囲との関係性が疎遠になることもありますが、この本を読んで改めて「誰かのためにする」ことの大切さを感じました。食事というテーマを通じて、人間関係の修復や成長を描くセンスも素晴らしい。 何度も足を止めて読み返してしまうほど、言葉一つひとつが丁寧に選ばれているのが伝わります。話題の本という理由で読みましたが、その評判に納得。日々忙しくしている人こそ、この物語の優しさに包まれて欲しい一冊です。