さるのこしかけ

さるのこしかけ

さくら ももこ

出版社:集英社 出版年月日:2002/03/01

集英社 | 2002/03/01

3.33
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

フリーランスになってから、人間関係や仕事の悩みで笑いが少なくなったと感じていたのだが、この本はそんな日常を吹き飛ばしてくれた。 著者の視点の切り取り方が秀逸で、誰もが経験しているはずの些細な出来事が、こんなにも笑える素材に変わるのかと驚かされる。小学生時代の無邪気な失敗譚から始まり、大人になってからのインド珍道中、さらには非常にプライベートなテーマまで赤裸々に綴られている。それでいて品を失わない表現力は、本当に力量がある。 仕事の疲労で判断力が落ちている夜間に読むのは避けた方がいい。電車の中で読んでいたら、思わず吹き出しそうになってしまったからだ。こういう危険性も含めて、それほどの威力を持ったエッセイだ。 文庫化に伴う周防正行監督との対談も興味深い。創作者同士の対話を通じて、著者の創作姿勢がより深く理解できる仕掛けになっている。 慎重に本を選んできた身として、これは間違いなく手にとって損なし。大人が読むべき日本のエッセイの傑作だと確信している。

感想

SNSで話題になっているのを見かけて、つい手に取ってしまいました。エッセイということなので、家事の合間にさらりと読める軽さを期待していたのですが、実際のところは想像通り。著者の破天荒なエピソードが次々と登場し、確かに随所で笑いはあります。 ただ、ページをめくり進めていると、爆笑必至という触れ込みほどの衝撃は感じられませんでした。個人的には、小学生時代の思い出の話よりも、デビュー後の珍道中や人生経験の部分の方がまだ興味深かったです。周防正行監督との対談も加わっているとのことですが、このセクションもそこまで深掘りされた内容ではないという印象。 時間に余裕があれば読んで損はないと思いますが、積極的におすすめするかと聞かれると、答えに困ってしまいます。読書家として、もっと考えさせられたり、心に残るエッセイを求めているのかもしれません。軽く笑える読み物としてなら良いでしょう。

感想

新刊の時から話題で、文庫化を機に手にしてみました。確かに笑える部分もあるんですが、正直なところ期待値が高すぎたのかもしれません。 小学生時代の思い出エッセイはテンポよく読めるのですが、後半のインド珍道中や病気との闘いの話になると、ちょっと無理やり感のあるギャグが増えてくる気がします。あと、新社会人の僕からすると、昔の話ばかりで共感しづらい部分が多いんですよね。 漫画が中心の読者なので参考にもなりにくいし、正直なところエッセイ特有の「その場の勢いで笑わせる」という手法が、活字だけだと物足りなく感じてしまいました。巻末の対談は興味深かったので、その部分だけは良かった。 実績ある著者さんなので期待しすぎていたのだと思います。友人の評判が本当に良ければ試す価値はあると思いますが、個人的には他のエッセイを試してみたい気分です。