名探偵の顔が良い2
新潮社 | 2026/02/28
みんなの感想
孫から「いま話題らしいよ」と勧められて手にした一冊です。正直なところ、こういった現代的なミステリーがどうなのかと懐疑的でしたが、読み始めたら思わず引き込まれてしまいました。 探偵の天草茅夢という人物が実に魅力的で、容姿も頭脳も料理の腕も優れているというのは、いかにも今どきの話ですが、それが自然に描かれているのが良い。各章の事件の謎解きも適度な難易度で、退職後の私でも十分に楽しめます。 何より気に入ったのは、このミステリーの随所に忍ばせられた「推し活」という現代的なテーマと、手作り料理という温かみが共存しているところです。八十歳の身としては、若い世代がこんなことを考えながら日々を過ごしているのかと、少し世間が見えた気もします。 文庫本という形式も読みやすく、一気に読み進められました。続編があるというのも嬉しい。世間で話題になっているのも納得できる、実に良くできた作品だと思います。
このところ世間で話題になっているこの作品、ようやく読むことができました。なるほど、こういった趣向の小説があるのですね。 72年生きてきた老人にとって、「推し活」という概念自体が新鮮で、その視点から物語が展開されるのは興味深い。若い世代がどのような感覚で好きな人物に心を寄せるのか、その心理描写が巧みです。一方、本編の肝である謎解きの部分もしっかりしていて、単なる応援小説ではなく、ちゃんとしたミステリとして成立している点が素晴らしい。 探偵・天草茅夢のキャラクターも立っていますし、何より随所に登場する料理の描写が実に味わい深い。年を重ねた私でも、思わず「食べてみたい」と思わせる力があります。これは著者の技量でしょう。 文庫版という手軽さもあり、つい続きが気になって一気読みしてしまいました。話題作というのは伊達ではないということでしょうか。若い世代からシニア世代まで、幅広く楽しめる一冊だと思います。次巻も注視しておきたいですね。
気軽に楽しめる推理小説を探していたので、この本はまさに当たりでした。医療の現場で日々ストレスを抱える毎日ですが、こういう軽やかで遊び心のある作品に出会うと、心がふわっと軽くなる感じがします。 主人公が推し活をしながら事件を解決していく設定が何ともユニーク。その気持ち、わかる気がします。私たちだって推し活のドキドキは人生の栄養ですから。そして天草茅夢というキャラクターの描き方が秀逸で、登場するたびに「ああもう」って顔がほころんでしまいます。 面白いのは、ミステリとしてもちゃんと成立しているところ。謎解きの快感と、推し活のときめきが上手に融合していて、両者のバランスが絶妙です。ジャンクな手料理という設定も遊び心があって、読んでいて思わず笑ってしまうシーンがたくさん。 第2巻とのことですが、前作を読んでなくても十分楽しめました。忙しい日常の合間にちょこちょこ読むのに最適。次の巻も気になります。