遠い声、遠い部屋

遠い声、遠い部屋

トルーマン・カポーティ / 村上春樹 / 村上 春樹

出版社:新潮社 出版年月日:2026/02/28

新潮社 | 2026/02/28

1.67
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

カポーティのデビュー作ということで期待を込めて読みはじめたんですが、正直なところ期待値と現実のギャップが大きかった。確かに文体は洗練されていて、村上春樹の新訳も読みやすいんだけど、物語の進行がもどかしい。 13歳のジョエルが父に会いに南部の屋敷を訪れるという基本設定は興味深いし、登場人物たちも個性的なんです。でも中盤以降、話が散漫になっていく感じがして。ミス・エイミーやアイダベルとの関係も、もっと掘り下げてほしかった部分が多い。幻想的な雰囲気を売りにしているみたいですが、それが曖昧さや不明瞭さに繋がってしまっている気がします。 古典として評価が高いのは理解できますし、文学的な価値があるのも認めます。ただ、現代の読者にとって、特に僕たちの世代にとってはアクセスしにくい作品なのかな。歴史的重要性と読む満足度は別物なんだと改めて感じました。

感想

村上春樹の新訳で『遠い声、遠い部屋』を読みました。正直なところ、期待と現実のギャップがある一冊でした。 確かに、カポーティのデビュー作というだけあって、文章は美しく、南部の屋敷を舞台にした不思議な雰囲気は最後まで引き込まれます。主人公ジョエルの心情描写も丁寧で、少年から大人へ移行する微妙な心境がよく表現されていると思います。 ただ、個人的には物語の展開が少し曖昧に感じてしまいました。謎めいた要素が多いのは文学作品としての魅力なのかもしれませんが、新社会人で疲れているときに読むと、「結局どういう話だったのか」という感覚が拭えません。それが作品の深さなのか、単に自分の読解力不足なのか判断がつかないところが、レビューを参考に本を選ぶ僕としては少し困ってしまいます。 新潮文庫は読みやすく、翻訳も現代的で申し分ありませんが、クラシック文学入門としては難度が高めかもしれません。文学が好きな人にはぜひ勧めたい作品ですが、僕のような人間にはちょっと手強かったというのが正直な感想です。