かがみの孤城 下
ポプラ社 | 2021/03/05
みんなの感想
上巻を読み終わった時点で、続きが気になって仕方ありませんでした。下巻でようやくすべての謎が解き明かされます。 この物語の素晴らしさは、登場人物たちが抱える「生きづらさ」がとても丁寧に描かれていることです。学校に行けない、居場所がない—そういう経験は、自分自身も周囲にもあるのではないかと考えながら読みました。39歳という年齢で改めて思うのは、こうした痛みは大人になっても変わらない、ということ。だからこそ、この物語が多くの人に支持されるのだと納得します。 下巻では、城に集められた7人の正体や、この不思議な仕掛けの真実へと迫っていくのですが、その謎解きの仕方が素敵です。単なるトリックではなく、登場人物たちの成長や変化と深く結びついています。涙を流さずには読めませんでした。 慎重に本を選ぶ私だからこそ、確信を持って勧められます。本当に良い一冊です。
『かがみの孤城』下巻を読み終わった。上巻から引き継いだこの物語の謎が、ここで見事に解き明かされる。 教育現場にいる身として、学校という場所での"生きづらさ"が実にリアルに描かれていることに心を打たれた。登場人物たちの一人ひとりが抱える問題は、私の生徒たちの姿とも重なる部分が多い。作者がこれほどまでに丁寧に向き合っているのを見ると、自分たちも同じ姿勢で子どもたちと接しなければならないと改めて感じる。 物語の終盤に向けて、緻密に仕組まれた伏線が次々と回収されていく快感がある。SFとしての仕掛けも秀逸だが、本質的には人間関係の再構築と自己肯定感の回復を描いた心温まる小説だ。 話題作として読む価値は十分だったが、単なるベストセラーではなく、教育者としても強く推奨したい一冊になった。生きづらさを感じている人だけでなく、そうした人たちに向き合う大人たちにも、ぜひ読んでほしい。