ラミジ艦長物語(9)

ラミジ艦長物語(9)

ダドリ-・ポ-プ

出版社:至誠堂 出版年月日:1981/10/01

至誠堂 | 1981/10/01

3.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

長く続くシリーズをここまで追い続けるのは久しぶりのことだが、このラミジ艦長物語はその甲斐があると感じている。第9巻の今作でも、艦長の揺るがぬ信念と部下たちへの向き合い方が相変わらず秀逸だ。 船乗りたちのドラマというのは、限られた空間での人間関係の深さにこそ本当の価値がある。本書では、長年の航海で培われた信頼関係が試されるエピソードが複数展開されており、読んでいて思わず身を乗り出す場面が何度もあった。作者は装飾的な描写を避け、会話と状況描写だけで登場人物の心情を丁寧に伝えている。 この歳になると、キャラクターの迷いや葛藤がよけいに胸に響く。現実の職場でも似た局面に遭遇することがあるからだ。艦長はどのように決断を下すのか、その過程を見守ることが今の読書の楽しみになっている。 若干、中盤の展開に些か急ぎ足な感が否めないが、全体としてはシリーズの水準を保ちつつも新たな深みを加えたと言えるだろう。次巻への期待感も高まっている。

感想

シリーズの9巻目ということで、期待を持って手に取ってみました。これまで積み重ねてきた物語の流れがちゃんと続いているなという感じはします。 ただ、正直なところ、この巻は特に新しい展開があるわけでもなく、既存のキャラクターたちが予想通りに動く感じですね。エッセイ的な部分もありますが、そこまで深く掘り下げられているわけではないと思いました。 悪くはないんですよ。艦長のキャラクターは相変わらず魅力的だし、世界観の構築もしっかりしています。ただ、9巻まで来たからこそ、もう少し驚きや新鮮さがあってもいいんじゃないかなっていう気がします。 レビューで評判を確認してから読むタイプなので、高い期待で臨んでしまったのかもしれません。シリーズの流れを追うなら読む必要がありますが、この巻単独で何か特別な魅力があるかと言われると、微妙です。次巻で盛り返すことを期待してます。